見た目が赤黒いカブのビーツ。
ちょっと毒々しい姿だけど、どうやら栄養が豊富で、身体にいいらしいと気になっていませんか?
今回はビーツに興味はあるけれど、味も調理方法も分からないので、挑戦するのを躊躇しまう…そんな方へ、「今度の週末はビーツを使った料理に挑戦してみよう!」と思えるよう、ビーツについて詳しく紹介したいと思います。
ビーツの栄養成分を知れば、きっと食べたくなる!
日本ではスーパーであまり生のビーツを見かけないかもしれません。
調べたところ、取り扱っている可能性があるのは、一部のクイーンズ伊勢丹、成城石井、紀伊国屋のようです。…ちょっとお高いものを取り扱ってるお店のイメージですが、これらのお店でも収穫時期によってお店に出てないときもある様子。
こちらに日本でビーツの取り扱いをしているお店が紹介されていました↓↓
確実なのは、通販で直送してもらう方法か、既に茹でてある缶詰などを購入する方法かもしれません。
調べたら、沖縄と北海道の農場で『ふるさと納税』の返礼品としてビーツが出てるみたいです。
北海道では農薬不使用のビーツがもらえるところもあったりして、こだわりのある方にも嬉しい返礼品ですね。ビーツ作る側も確実に野菜を販売することができて、win-winな関係になれて素敵!なんて思いました。
ちなみに、カナダでは結構メジャーな野菜の一つで、生はもちろん、茹でたのも缶詰や真空パック詰めで売られています。コストコでも、オーガニックのビーツが真空パックのものを買うことができます。生ではなかなか手に入れらないかもしれませんが、すでに茹でてあるものとかなら手に入れやすいかもしれませんね。
ビーツの豊富な栄養成分はこちら
まずはビーツ(生)の主な栄養素をチェックすると、下記の表にある成分が
100gあたりで換算すると他の野菜よりも多く含まれていると注目したい栄養素となります。
鉄分 | 0.4mg(特に葉の部分に多い) |
炭水化物 | 9.3g |
ナトリウム | 30mg |
カリウム | 460mg |
ビタミンC | 5mg |
葉酸 | 110μg |
葉酸というと妊活や妊娠中に、葉酸のサプリメントを摂るよう主治医から勧められると思いますが(私は勧められました)、こんな感じで女性は男性よりもたくさん葉酸を摂る機会が多いです。
妊娠を必要としていないときまたは男性の葉酸の必要量 | 240ug |
妊娠を考えているときの(妊娠前の)葉酸必要量 | 640ug |
妊娠中の葉酸必要量 | 480ug |
産後の葉酸必要量 | 340ug |
ビーツの重さは小さいものなら200~300g、大きいものだと900gほどなので、丸ごと1個食べたら1日に必要な葉酸を摂取できると考えると…ビーツって頼もしい野菜です!
葉酸の効能と葉酸を多く含む他の食品は?
葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けるビタミンです。
また、代謝に関与しており、細胞の生産や再生を助けることから、体の発育にも重要なビタミンです。
葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、特に胎児にとっては重要な栄養成分です。
妊娠中に葉酸を十分摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができるため、医師から葉酸のサプリメントを勧められることが多いでしょう。
葉酸を多く含む食べ物は、
・藻類(焼きのり、乾燥わかめ、あおさ、真昆布など)
・肉類(鶏・牛・豚の肝臓、鶏の心臓など)
・し好飲料類(緑茶、紅茶)
・野菜類
・卵類
・乳類
・豆類
など
カリウムの効能とカリウムを含む他の食品は?
葉酸について熱く書いてきましたが、実はカリウムも、ビーツは多く含んでいます。
カリウムは、人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをします。
ナトリウムを排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節する上で重要です。
特に日本人は、醤油に魚の干物に漬物に…と塩分摂り過ぎになりがちな食生活なので、カリウム、大事!
ちなみにカリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。
また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では
生活習慣病の予防を目的とした成人1人1日当たりのカリウム摂取の目標量を、
男性3,000mg以上、女性2,600mg以上としています。
また、2012年に公表されたWHOのガイドラインでは
高血圧予防のために望ましい摂取量は、
男女とも3,510mg/日を推奨しています。
ビーツは100gあたり460mgあり、小さいものでも1個200~300gの重さがあるので、
単純計算で、1個あたりカリウムは920-1380mg含まれてることになります。
この量は、女性の1日あたりの1/3~1/2量に相当するんですよね。
そう考えると、スープやサラダにしてビーツを食べたら、ある程度の量のカリウムと葉酸を摂取することができて、いいかも!なんて思えてきます。
そんなカリウムを多く含む食品は、
・藻類(刻み昆布、あおさ、焼きのりなど)
・果実類(干しあんず、干しいちじく、干しブドウ、アボカド、バナナ、キウイ、イチゴなど)
・いも及びでん粉類(さつまいも、さといも、ながいも、じゃがいも)
・豆類(納豆、大豆、豆乳、あずき/あんこ、豆腐)
・肉類(豚肉、牛肉、鶏肉)
・魚介類(さわら、かんぱち、真鯛、メカジキなど)
・野菜類(切り干し大根、ほうれん草、えだまめ、にら、小松菜、サニーレタス、かぼちゃ)
など
葉酸のと見比べると重なる部分とあったりして、ビーツと他の野菜類に大豆を加えたら、
(葉酸トカリウムにフォーカスすれば)もう、最強なんじゃないかなって感じですよね。
ビーツの持つ栄養による効能とは?
ビーツが栄養豊富であり、特に葉酸とカリウムが多いと意識して摂るといいのはわかったけれど…
「つまりは身体にどういった感じに効くの??」と思われたかもしれません。
私はそう思いました!
「結局、ビーツを食べるとどんなメリットがあるのかな?」と気になり調べたところを、
「栄養素の角度から見て、どういった効果があるのか」
という観点から説明していきたいと思います。
ビーツは疲労回復に効く
今注目されているのが、ビーツを食べることによって、体内で一酸化窒素(NO)が増えるという点らしいのですが、一酸化窒素が増えるとメリットが色々あります。
一酸化窒素の主な働きというのは、体内で一酸化窒素が増えることで血管が拡張され、より多くの血液を筋肉やその他の組織に運ぶことができるというものです。
それによって得られる効果はこんな感じです↓
・多くの栄養素や酸素、筋肉を作るホルモンを体内の組織に送り届けることができるため、筋肉の成長を促進し、運動後の回復を早める
・血管の筋肉を柔軟にして血流がスムーズになることで、血管内のコレステロールや血栓の発生を抑える(脳卒中や心臓病の原因となる血栓の予防や血圧の正常化の効果が期待される!)
・冷えや肩こり、むくみといった血行不良が原因で起こる様々な不調の改善
ビーツは腸内環境にも働く
ビーツには、天然オリゴ糖や食物繊維が含まれているので、腸内の善玉菌が活性化し、便秘にも効果があります。
またお通じの調子が良いということは、きれいな血液が腸から体内へ吸収されていくので、お肌の調子が良くなると言えます。
ところでオリゴ糖は一時間程度なら加熱しても大丈夫なのだそうですが、
もし、ボルシチなど煮込むときはオリゴ糖の効果が薄れるかもしれません。。。
それを考えると、茹でてサラダにして食べる方が、オリゴ糖を身体に多く摂り込めるかもしれませんね。
ビーツは肝臓の機能を高める
ビーツに含まれるベタインという甘味・旨味に深くかかわる成分には、肝臓の機能を高めたり、脂肪燃焼を促進する働きがあるため、肝硬変や脂肪肝を予防につながるそうです。
ということは、お酒をたくさん飲んでちょっと体重が気になる人とかも、ビーツはおススメということになりそうですね。
ビーツはむくみの解消・高血圧の予防になる
前述にて、ビーツには多くのカリウムを含むと書きましたが、例えば、レタスやトマトの2倍以上のカリウムが含まれています。
カリウムの役割は、体内の余分な塩分を輩出する働きなので、むくみの解消につながります。また、塩分を排出することで、血圧の上昇を防ぐので、高血圧の予防にもなると言えます。
ビーツによる動脈硬化の予防
ビーツに含まれる、パントテン酸は血液の中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす作用があります。
そのため、動脈硬化の予防につながります。
ビーツの抗酸化作用による、がん予防
ビーツのあの鮮やかな赤色を出してる色素ベタシアニンは、ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持っています。
ポリフェノールは、体の中の活性酸素を取り除いて、老化を防ぐとともに、細胞ががん化することを防ぐと言われています。
ビーツは美容やダイエットの効果を促進する
葉酸には、タンパク質成分を整える働きがあり、それによって肌荒れの改善や髪の毛の艶やハリを維持します。
また、血液量を増やすことで体温と共に基礎代謝を上げ、ダイエット効果を促進できたりする作用があるそうなんです。
葉酸の効果に注目するだけでも、ビーツは女性にはとっても嬉しい野菜になりそうです。
ビーツだけ食べるのでなく、バランスが大事
ビーツの持つ栄養素から「こういう効果を得られます」と書きましたが、
ビーツだけ食べていたら健康でいられる…という訳ではないと思っています。
色んな野菜や卵、魚、肉などバランスよく食べて、その中でビーツもちょくちょく摂り入れるようにしたら、上記の効果を最大限に得られるということになるのではないでしょうか
参考:
血圧健康ライフ/血管を若返らせるミラクルフード「赤い野菜」とは?!
食べる輸血!?スーパーフード「ビーツ」の注目成分NO(一酸化窒素)の健康効果、食べ方、レシピなど
ビーツを美味しく食べる【簡単レシピ紹介】
ここまで読んでくださった方は、きっとビーツに魅了されてきたと思います。
ビーツが栄養豊富であり、その効能もわかった…
そうなると次は「じゃ、どうやって食べたらいいの?」というのが気になってくると思います。
そこで、いくつかのレシピを簡単に紹介したいと思います。
スープにする
前回ボルシチのレシピを紹介しましたが、ビーツをスープにするのはお勧めです。
なぜなら、煮込んで出てきた栄養もそのままスープと一緒に摂ることができるから!
ボルシチでなくても、ポトフにビーツを入れたりするのもいいですね。(スープの色が赤くなると思いますが…)
ボルシチでなくちゃダメ!となるより、ゆる~く、洋風のスープを作るときにビーツも一口サイズに切って入れたりするといいですね。
あと!カレーに入れたりするのも面白いですよ♪
サラダにして食べる
皮をむいたビーツを20分ほど茹でて、いちょう切りなど食べやすい大きさに切ります。
それをほうれん草や玉ねぎ、クルミなどと一緒に乗せて、塩・コショウとオリーブオイルで味付けしたサラダにすると、簡単で、すぐに食べことができます。
バルサミコ酢と合わせてロースト
もし、生のビーツが手に入るようなら、英語なのですが、こちらのレシピもおススメです!
ザックリ説明すると、
- 220度に予熱しておく
- 3個のビーツの皮をむいて、一口サイズに切る
- ベーキングシートを敷いた天板に切ったビーツを並べ、大さじ1のオリーブオイルと小さじ1/2の塩を振る
- 15-20分ほどオーブンでローストする
- 15-20分ほど経ったら、天板を取り出し混ぜてからオーブンに戻し、10分以上ビーツが柔らかくなるまで、さらにローストする
- 待ってる間に大さじ1のバルサミックビネガーと大さじ1のハチミツ(またはメープルシロップ)を混ぜておく
- ビーツが柔らかくなったところでオーブンから取り出し、⑥の調味料をビーツにかけ、ビーツを混ぜる
- またオーブンに戻して10分ローストする(5分経ったところでまた取り出して、混ぜる)
- ⑥の調味料がビーツをコーティングしてる感じ(水っぽい感じが消えた状態)になったら、完成
- 食べるときは温めてから、このまま食べたり、サラダに乗せたりして食べる
※そのときに、パセリやローズマリーなど乗せて食べるとGOODなようです♪ - ちなみに冷蔵庫で5日間ほど保存可能
最後に
ここまで長々と読んでくださり、どうもありがとうございます。
ズボラな私としては一食の食事が完璧な栄養バランスが取れていれば、そのメニューをずっと繰り返したら楽なんじゃないかなと思い、ずっと『完璧なバランスのレシピ』を追い求めてる気がします。
でも実際は、未だに見つけられていなくて、
やっぱり色んな食品を、一日通してバランスを考え、そして一週間を通してバランスを考えたメニューにしていくのがベストなのかもしれないと考えています。
5年くらい経ったら、今までのレシピを見比べて『完璧な一週間のメニュー』を作り、
献立を考える手間を減らすことができたら嬉しいなと妄想しつつ、夜な夜なレシピや栄養、中医学の勉強を続けていきたいと思います。